ESSAY — TACHIKAWA

お稽古帰りの、あんこのはなし

立川と、おこと 第三回

第三回

お稽古帰りの、あんこのはなし

立川駅の北口大通りを歩いていくと、家紋入りの暖簾が見えてきます。
創業から70年近く、この場所で和菓子をつくり続けている「立川伊勢屋」です。

どら焼きにふれると、湯気が立ちます

たち

お目当てはいつも「たちどら」。
ふっくらとした生地に「たちかわ」の焼き印、割ってみるとあんこがぎっしり詰まっています。
じつは私自身はグルテンをひかえているので、これはもっぱら夫へのお土産。
ひとつ買って帰ると、袋を覗きこんで嬉しそうな顔をするのが、こちらまで楽しみになります。

甘いものを頬張る夫を横目に、私はもっぱら香りとあんこの艶を眺める係。
それでも十分満足なのは、きっとお箏と同じで、味わい方はひとつじゃないから、なのかもしれません。

甘いものは、がんばった自分(と、夫)へのごほうびでもあり、次のお稽古への合図でもあります。
今度いらしたときは、ぜひ北口までちょっと足をのばしてみてください。
お稽古の帰り道が、すこし甘くなりますように。

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