ESSAY — TACHIKAWA

立川にある日本庭園のはなし

立川と、おこと 第二回

第二回

立川にある日本庭園のはなし

昭和記念公園の奥に、日本庭園があるのをご存じでしょうか。
あの広い広い公園の、いちばん静かな場所です。

入口の門をくぐると、まちの音がすっと遠くなります。
池をぐるりと囲む小道を歩けば、水面に空と松が映って、風が通るたびに景色がゆらりとほどける。
歩くほどに、呼吸がゆっくりになっていくのがわかります。

私はここへ、耳を休めに行きます。
鯉がはねる音、砂利を踏む音、遠くの野鳥の声。
よく聴くと、庭は無音ではなくて、小さな音の重なりでできている——これは、お箏の余韻にとてもよく似ています。
弾き終えた絃の震えが、ゆっくり空気に溶けていく数秒間。
日本庭園に流れる時間は、あの余韻がずっと続いているようなものかもしれません。

お稽古の帰りにはすこし遠回りですが、季節にいちどは寄りたい場所です。

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